バイオインフォマティクス

生命情報学に関する基本的な理論や解析ソフトウェアの使用方法について.

プロリンとそのN末端側のアミノ酸残基によって形成される X-Pro 結合はタンパク質立体構造の形成を複雑にする.プロリンを含まないアミド結合において各残基のα炭素はN-C結合をはさんで同じ側に位置するトランス型のコンフォーメーションを形成するが,プロリンが含まれたアミド結合においては,プロリンのイミノ酸としての独特な構造から,トランス型 (左図) のみならずシス型 (右図) のコンフォーメーションも比較的安定に存在できる.

このシス型のコンフォーメーションを構築するために必要な反応が,シス・トランス異性化であるが,この反応に必要な活性化エネルギーは約20kcal/molと比較的高い.このエネルギー障壁を超えるために,タンパク質全体としてのフォールディングが複雑化される.異性化の開始から終了までに数十秒の時間を要する.シス・トランス異性化は自然には達成され難く,プロリルイソメラーゼと呼ばれる酵素により触媒される場合がある.

abi_proline_and_protein_structure_01.png
アラニン-プロリン結合 トランス型 (左) とシス型 (右)
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