対応のあるt検定

Rにてt検定を実行する。t検定は2群間の平均値の差を比較する検定であるが,その対象の2群間の平均値が独立とはいえない場合,すなわち対応がある場合は対応のあるt検定を用いる.対応がある場合とは,同一検体に2種類の薬剤を投与し,その薬剤の効果の差を検定したい場合等対象となる集団が等しい場合のことをいう.スチューデントやウェルチ等の対応のないt検定とは異なり,データ間の分散を気にする必要がない.

対応のあるt検定を行うために,Rのデフォルトデータセットに適したサンプルデータが存在する.データセット sleep は,2種類の睡眠薬を10人の被験者にそれぞれ投与した際に,増加した睡眠時間を記録したものである.2種類の薬剤を同一被験者に投与しているので,その値には対応があるといえる.データセット sleep は以下のコマンドで確認できる.

1|$print(sleep)

以下のコマンドにて,薬剤1および2によって生じた効果をそれぞれ新たな変数,agent1およびagent2に納める.

1|$agent1=sleep[1:10,1]
2|$agent2=sleep[11:20,1]

これらの平均は以下のコマンドで確認できる.

1|$mean(agent1)
0.75
2|$mean(agent2)
2.33

これらの差を検定する.対応のあるt検定は,コマンド t.test() にて実行できる.実際には,t.test(データセット1,データセット2,paired=T) のように打つ.有意水準は 0.05 で検定すると決める.帰無仮説は '2群間の平均値に差がないこと' となる.

1|$t.test(agent1,agent2,paired=T)
        Paired t-test

data:  agent1 and agent2 
t = -4.0621, df = 9, p-value = 0.002833
alternative hypothesis: true difference in means is not equal to 0 
95 percent confidence interval:
 -2.4598858 -0.7001142 
sample estimates:
mean of the differences 
                  -1.58 

結果より,p<0.05 なので,帰無仮説を棄却し,薬剤1と薬剤2の薬効には差があると結論する.

2群間の平均値の比較は以下のようにまとめられる.

2群間に対応がある場合 → 対応のあるt検定

2群間に対応がない場合はさらに以下のように分岐する.

F検定をしてp<0.05である場合 (不等分散) → Welchのt検定

F検定をしてp<0.05でない場合 (等分散) → studentのt検定

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